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つながる

 これから書くことは、ちょっとした思い付きで個人的な空想を膨らませただけのことです。きちんと勉強や調査をしているわけではないので、正確でないことも多いと思います(^^;。(詳しく知りたい方は検索してどっか他のサイト見るか、本でも読んでください。どこかナゲヤリ(笑)。)
 で、思いつきだけでこんなこと書くのはおこがましいんですが、いついつにこういう刺激を受けて、こういうふうに考えました、という自分のための覚書きということで読み飛ばしておいてください。

 さて一応、なんのことかと言いますと、昨日はネタとしてなにげなく紹介したチェーンメールですが、なんか夕べからこの「チェーンメール」が引っかかっています。今、リンクについての検討をしていたり、アルバート・ラズロ・バラバシの「LINKED: The New Science of Networks 新ネットワーク思考―世界のしくみを読み解く」という本を読んでいたりしているので、どうやら「つながるひろがる」の動きをするチェーンメールのことが気になるらしい。そういやLinkはChainだしな。

 このLINKEDの中で紹介されていた「六次の隔たり」。これは、世界中の誰とでも、六人の知人の輪を介せば繋がることができるという理論のことです。1967年にハーバード大学教授スタンレー・ミルグラムが、それこそチェーンレターを使って実験をしたのです。要約すると、ネブラスカ州オハマの住人をランダムに160人選択して、最初の手紙を渡し、それぞれに、ターゲットを知っていそうな知人へ手紙を転送してもらう。次にその手紙を受け取った人もまた転送するというのを繰り返しながら、ボストン在住のターゲットへその手紙を届ける。という実験を行い、その結果、ほとんどの手紙が5段階か6段階の知人を経ることで、ゴールのあて先に届いていることが分かったのです。
 それを去年、今度はインターネットメールを使って、コロンビア大学の社会学教授が実験を行ったらしい。結果は、一応届いたことは届いたらしいんですが、解析とかが色々難しいらしいです。

■参考■
鈴木純一:http://www.atmarkit.co.jp/fjava/column/suzuki/suzuki01.html
Hotwired:http://hotwired.goo.ne.jp/news/print/20020131206.html
Hotwired:http://hotwired.goo.ne.jp/bitliteracy/tsutiya/030819/
IT Pro:http://itpro.nikkeibp.co.jp/free/ITPro/USIT/20030817/1/
ベーコンゲーム:http://www.cs.virginia.edu/oracle/star_links.html
NDO::Weblog:http://naoya.dyndns.org/~naoya/mt/archives/000410.html
ヌーベルブログ:http://www.adnec.com/blog/archives/cat_nagano.html

 ちなみに、「六次の隔たり」論は前述の通りS・ミルグラムが発見しましたが、それよりも30年くらい前に、ハンガリーの文学者フリジェシュ・カリンティが、「鎖」という短編で「今日、地球上の人々はかつてないほど互いに接近し合っている。そのことを証明するために、仲間の一人がある方法を提案した。その男は、地球上にいる十五億の人から一人の名前を挙げてみたまえと言った。彼はたった五人の知人の輪を介して名前の挙がった人物にまで鎖をつないでみせると言うのである。」(本より引用)と書いていたのです。言うなれば「五次の隔たり」だったのです。これをミルグラムが直接または間接的に、知っていたかどうかはわかりません。

 ところで、ボトルレター或いはMessage in a Bottle、あれも「つながる」と、1ステップだけだけど「ひろがる」という意味を持っていると考えてもいいのだろうか。文通はどうだろう? 今だったら出会い系サイトよろしくのような、雑誌などの文通相手をみつけるためのコーナーは、さながら中央サーバを持ったNapsterのように、条件の合う人間同士をつなげていった。

 こんなふうに考えてみると、理論やら概念やら、なんとか学なんて全く知らなくても、人間っていうのは本能的に、ひろく遠くへつながりたいという欲求を持っているんじゃないだろうか。地形変更などで、動物たちのグループやコミュニティが孤立してしまうと、その群れは絶滅する危険度が高くなる。そういった孤立の危険性を知っていて、人間も本能的にひろく遠くへつながろうとするんではないだろうか。
 本の中でも「閾値」というものがとりあげられていた。巨大クラスタを生み出すためのノードあたりの平均リンク数の閾値は1。閾値1を確保していれば、パーコレーションは起こるのだが、自然は、その閾値ギリギリを保つような危険は冒さなかった。閾値を楽々と上回ることを選んだ、と。
 自然は、そのものが意識しようとしなかろうと、常に強く生存を求めさせるのだろう。

 では、チェーンレター、チェーンメールはそういった本能的なものから生まれたのだろうか? ん~。確かに背景にはそういう感覚はあると思う。ただ当初の「つながる」のが目的ではなく、「つなげる」のが目的となってしまったのではないかと思う。
 ボトルレターはちょうど文通とチェーンメールの間くらいの存在だろうか。どこかにいる名前も知らない誰か、途中でボトルは沈んでしまうかもしれないけれど、もし誰かが拾って読んでくれたらと思うと嬉しい。受け取ったよ、読んだよ、と手紙(結果)をくれたらもっと嬉しい。といった感じで、はじめからつながるかどうかもわからない、といったところに好奇心や楽しみがあるのではないか。
 そしてもし、数ヶ月経っても返事の手紙が届かなかったら、ボトルは沈んでしまったのね、と儚い戯れ事を大抵の人は忘れてしまうだろう。けれど、そこで、じゃあ何本くらい流したらどのくらいの割合で返事は返ってくるのだろう。季節は?潮の流れは?文面は? そんなことを考えはじめるわたしのようなヤツは、数日後、漁の邪魔も環境汚染も考えず、大量のビンを海に投げ込むかもしれない。

 チェーンレター、チェーンメールもこういった好奇心や、探究心から送った人間もいるのではないかと思う。署名活動のようなものからもヒントを得たかも知れない。コレクター趣味のような人もいたかもしれない。厳密な結果は知る由もないけれど、でも、なるべくたくさんの人に、このメールをつないでみたい。という思いから「仕掛け」(不幸のとか幸福のとか)を組み込み、他の誰かにも回してくれと一文添える。
 または、カリンティの「鎖」を読んで、ミルグラムの「六次の隔たり」を聞いて、そういう事象に興味を持った人が真似てみたのが最初かもしれない。現に、コロンビア大学での実験は、六次の隔たりの実験をメールで行ったらどうなんだろう?といった疑問や好奇心(ちゃんと研究という目的もあると思いますが)からスタートしたのではなかろうか。

 ただし、地球に生まれたものは生物でも無機物でも、たいがいが姿を変える。だからチェーンメールも初めて生まれたときと、ピーク時、現在では、生まれる原因や意味が違うと考えなくてはいけないかもしれない。ただの模倣や、ネタ作りを重視して発信している人間も多いだろう。ほとんどかもしれないな。話題になったり、自分に再び戻ってきたときに悦びを感じていたりするのかな? ただ、こういうふうに生まれたチェーンメールは、やはり「つなげる」ことが目的で、本質の「つながる」ことという目的とは離れてしまっている、とわたしは感じる。(でも、自然ってけっこう無駄も大事にしてるしな。何か意味や必要があるのかもしれないな。)

 なんとなく・・・、の違和感ともやもや感があるだけで、つながる/つなげる、の話はまだ自分でも整理できていませんが、まあ、覚書きっつ~ことで(^^;A。


 チェーンメールの話は、多分この後PCウィルス、現実の生態系の話へとも発展していきそうだな。本にもそういう方向の章がありそうだし。また読み進めたときに、色々と考えることができそうなので、またここに放り込むかもしれません。

 ふぅ。あたまつかれる。
by mimimarutaro | 2004-09-03 18:43 | 仕事(部長の実験台)


のあのあな生活を送りながら、もろもろのことを楽しんで


by mimimarutaro

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